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日刊木材新聞 2015年4月24日 | ||||
杉だけで耐火集成材の実用化普及へ NC木材加工機械を導入 東京農工大学 |
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東京農工大学(東京都、松永是学長)は、14年度末に同大学農学部林産加工室(同府中市)にNC木材加工機械一式を初めて導入した。同大学に服部順昭名誉教授らの開発グループが進めている「杉だけで耐火集成材」の実用化普及に向けて、作りやすく、安く作れる生産システムを検討していたところ、ドリルインサイジングの開発ニーズが強くなってきたためだ。 ![]() 防火地域や準防火地域に木造建築物を建てるには、柱や梁といった構造部材に耐火性能や準耐火性能を持たせなければならない。国土交通大臣認定された1時間耐火集成材「FRウッド」が実用化されているが、レーザーインサイジング(※)という扱い慣れないレーザを使用することから、いま一つ普及しづらい状況にある。 そこで同開発グループは、科学研究中費に申請、採決を受けた。一般競争入札を行い、技術審査、開札という手続きを踏んで機械・工具商の高岡機構(同小金井市、橋本健二社長)と契約した。 同機械一式は、日新興産(東京都、原口博光社長)が製作。加工テーブル(幅1000×長さ1700×厚さ50ミリの木材の孔あけ加工が可能)と冷却装置付き主軸(直径1~3ミリのドリルが使用でき、専用インバーターで毎分2000回転から2万回転までの回転数が可能)、主軸数値制御装置(高速スピンドルによる孔あけ、3軸をNC制御)、被加工材料固定装置(吸着テーブルは4.6kwのバキュームブロウ装備)で構成されている。 服部名誉教授は、「今回、導入されたNC木材加工機械により、曲がりにくく効率的な穴あけ条件を追及する。 これまでレーザで行ってきたインサイジングがドリルで行えることとなり、インサイジングラミナのみに難燃薬剤を所定量、均一に注入した杉耐火部材(集成材やCLT)の生産ラインが整備できると思われる。これらの部材による非戸建て住宅が防火地域などに建設されると、国産材の自給率向上に貢献するだけでなく、鉄骨や鉄筋コンクリートの使用量が削減できるため温室効果ガス削減にも貢献できる。 また人工林の利用が進むことから国土の健全化にもつながる」と話している。 ※レーザインサイジング=炭酸ガスレーザで直径2ミリ以下、深さ100ミリ以上のピンホールを所定パターンで厚さ方向にあけること。 |
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