2×4壁パネルフルライン―日新興産

「現場対応のコンピュータ制御」で
高品質・合理化生産を提案


叶V昭和「ウィザースホーム」の生産基地・袖ヶ浦工場で稼動


 合成樹脂加工とツーバイフォー部材加工機械を専門に設計・製作を行う生産設備機械メーカー・日新興産梶i東京都板橋区、原口博光社長)では、このほど叶V昭和(千葉県君津市、松田芳彦社長)の袖ヶ浦工場に壁パネルのフルラインを納入した。ラインは合板と石膏ボードのそれぞれの釘打ち、サッシ取り付け、ラック納入までを行う。
ラインの制御はCAD/CAMではなく「現場(工場)対応のコンピュータ制御」として生産効率向上と加工コスト低減を図った。

 「CAD/CAM方式は2×4の場合、在来工法と違って開口と上下枠加工工程が入るので割高になるのが一般的。自動化のレベルを現場対応でコンピュータ制御にしておけば低コストで効率良い部材加工ができる」今回納入させて頂いたラインは2×4生産ラインとしては画期的だと自負している。もちろん、将来のCAD/CAM化にも対応できる」(原口社長)。

 ラインはおおまかに、フレーミング(枠組)の釘打ち、開口部の切り抜き、合板の釘打といった3つの加工ステーションで構成される。さらに今回のラインには加工後のパネルを起立(パネルを起こす)しラック納入する設備も付加しフルライン化されている。

 製造工程は「合板釘打ち」[開口]を抜く」「防水シート貼り」で片面加工を終えて反転。「断熱材取付」「電飾取付」「開口を抜く」。内装のボードはネジ締めをそれぞれ行う。引き続きサッシを取り付けてラックへ収まるといった流れ。ラインは2×6にも対応する。

 なお、壁パネルラインに付随して傾斜・旋回・長さ定規の3軸同時制御で位置決めが行える最新鋭機「三次元屋根材カットソー」と、コスト低減を実現するバラ釘が使用できる「バラ釘自動釘打機」も導入、まさに2×4工法の生産基地としてハイスペックなラインが稼動することになった。

 木工機械メーカーが設備投資の減少から苦境に陥る中、こうした設備納入を果たした意味合いは大きい。日新興産の原口社長は「CAD/CAMではなく、様々な住宅プランに対応できる現場対応の自動ラインでのコスト減の提案。またバラ釘使用の機械を提案することでユーザー工場さんの痒いところに手が届く提案をした」と語る。

 同社は平面図の寸法から直接に壁・床・妻壁・屋根のパネル図、木拾い表などの各種指示書を作成する「N-CAPS」をはじめ、2×4の生産支援システムを開発してきた。いかにユーザーの要求にソフト面からの支援ができるか、その情報力と観察眼が今、苦境に立たされる多くの機械設備メーカーに問われている。

 叶V昭和は千葉県・神奈川県・茨城県・東京都東部・埼玉県南部のエリアで「耐震・耐久躯体JOV(JUST ONE VALUE)構造」かつ健康仕様の2×4、2×6工法「ウィザースホーム」を展開している。同社の松田社長は「今回の設備によって、ウィザースホームの供給基地として高品質な住宅を提供していきたい」と話している。なお設備についての問合わせは電話03・3550・6311まで。
以 上
掲載メディア
住宅ジャーナル 2003 /6