要 望 書 国土交通所轄


―内需の柱としての住宅政策の提案及び
林業・木材関連産業政策の提案-
(平成22年度要望)

 アメリカ発金融システムの崩壊により、実体経済の大幅な減少によって外需依存型産業に基盤をおく日本の経済体制は内需主導型へとチェンジする潮目にかかっています。

 このことは、内需の柱である住宅政策が経済活性化に大きな役割を担わなくてはならないことを意味している。

『すべての日本の家族のために良質な住宅と居住環境を提供すること』の目標のもと、長期の視点にたった「住宅税制」に改革するとともに、各種の住宅建設の促進対策を早急に実施しなくてはなりません。大幅に低迷し続ける住宅建設の影響により木材及び木材関連 産業の経営危機はますます深刻になっております。

 低炭素社会への円滑な移行が国の重要政策となっている中で、国産材の利用促進による地球温暖化防止及び地域経済の活性化による雇用の安定・増大のため、我が国林業・木材産業関連の長期的、持続的発展という新たな観点から以下の対策を要望致しますので、宜 しくご高配の程お願い申し上げます。





《国土交通省所轄》
Ⅰ.内需の柱としての住宅政策

 木造住宅をはじめとする新設住宅着工及び耐震、省エネ等のための住宅リフォームの増大のための、大胆かつ抜本的な補助、金融、税制措置を講じていただきたい。特に、30代、 40代のサラリーマンが安心して住宅を購入する、或いは既に住宅を所有している世代が積極的にリフォームを行えるような、補助金による支援、金融上及び税制上の思い切った優遇措置を政府として講じていただきたい。


  1. 新耐震基準以前に建築された住宅の建替に関する減税措置

     社会資本の整備は台風、地震国として、国民の安全性、防災性、耐震性の見地から税制の優遇があってしかるべきであります。

    (1) 住宅ローン減税1,000万円
    (2) 長期優良住宅及び耐震・エコ機能住宅には、国は最低でも300万円の助成。


  2. 耐震改修工事を促進する優遇措置の拡充

     耐震改修の普及は地震国日本にとって、住宅の地震対策の推進を図るに当って、対策が進む施策作りが重要である。
     リフォーム工事を行うに当っても、そのタイミングに、耐震診断と改修工事の提案がなされていれば、耐震改修の普及は大幅に進むものと思われます。
     しかしながら耐震改修に要する費用負担は大きく、普及促進のためには各種の優遇措置等の拡充を図っていただきたい。



  3. 建築基準法の見直しについて

     建築基準法等の見直しに当たっては、建築確認日数の短縮や提出資料の簡素化等住宅 建築促進に資する改正を行っていただきたい。
     他方、長期優良住宅等耐震性、耐久性、省エネ性に優れた住宅の建築のための木質建材の性能確保を図るとともに、建築部材や住宅建築工法の開発・改良のための支援事業 を新設・拡充していただきたい。


  4. 手元資金による住宅建設には(セカンドハウス含む)、確定申告により5年聞でその建設費の15%を還付。


  5. 住宅ローン利子所得控除制度の創設

     恒久税制として、住宅ローン利子の所得控除制度の創設。
     良質で耐久性の高い住宅取得を促すには、借入金額や控除期間を限定することなく、土地・建物にかかる金利を所得控除する制度が必要です。
     米国で過去90年以上に亘って、この制度は何百万人もの家族に大きな恩恵をもたらしてきました。
     当初、米国政府関係者は、この制度を導入すると、税収が減少し、予算が足りなくなるのではないかと危惧されていましたが、実際に施行されると、住宅所有者における可処分所得の増加によって、いろいろな家財へと消費は広がり、税収基盤が強化し、経済の活性化に大きく貢献ずる結果となりました。


  6. 住宅消費税の廃止

     時限立法としての住宅ローン減税は「駆け込み需要」として景気対策に大きな効果をもたらします。
     しかしながら、控除適用期間終了後の経済環境に及ぼす悪影響はその比ではありません。
     期間が限定されている面から、国民の購買時期の選択肢も狂わせ、経済全般にとって、雇用不安、不況、倒産を引き起こします。
     又、税の公平の見地からも考察されなければなりません。
     年金負担は企業・家計の双方にとって、今後、企業活力や社会エネルギーを奪うことになります。
     2010年は活力ある日本を取り戻す本来の意味での正念場を迎える事になります。
     全ての国民は住宅を生活の場として日々暮らしており、耐震・耐火・耐久・省エネ・ バリアフリー・環境配慮等高品質な住宅ほど高額の税がかけられる事になります。
     税収確保第一主義の微収側の発想から脱却し、国民主権国家として、国民の立場にたった発想の転換が今こそ必要です。
     住宅にかかる消費税について、米国、フランスの非課税、イギリスのゼロ税率と国民の取得時負担を軽減する政策的配慮が欧米先進国ではなされています。
     硬直化した税制を改革し、時代の変遷に適合した経済の活性化を創出する社会システムの構築が21世紀の税制の基本と考えます。


  7. 二戸目の住宅取得にも生前贈与の非課税枠適用

     時間を移動する事によって、もう一つの風土という空間を亨受する精神的豊かさが人間性を育み、文化や伝統の調和されたコミュニティーが形成されます。
     都市の生活と田舎の生活を共に手にする事が出来ます。
     世界一の金融資産を動かす仕組作りが閉塞した現時の日本には必要です。


    以上、七項目について、ご検討の上、是非実現されん事を要望いたします。
以上
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