要 望 書
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内需の柱としての
ー住宅・林業・木材関連産業政策の提案-
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古事記にも書かれているようにスギ材は日本固有種です。
その特性は断熱・保温・調湿のほか大気汚染浄化機能が高く、生理的に落ち着いた状態(血圧を安定)にし、疲労感の回復が早く、リラックスさせる事が各種実験によって証明されています。
日本は国土面積(3,780万ha)の2/3が森林面積(2,510万ha)で、その60%が人工林(1,120万ha)です。スギは人工林の44%も占めています。
国土と水を健全な状態に保つ上で、植林された木材(60年分の蓄積)を活用し、炭素固定に資する木材利用を推進し、地球温暖化防止(CO2排出削減)に資するスギ材の木造住宅、公共建築物の利用拡大を推進する新らたなる規格の創設が重要です。
汚染物質が偏西風に乗って、中国、韓国から運ばれてくる現状から、スギ材の一層の活用が望まれます。
森林吸収源対策として、森林整備・保全の推進が必要です。
木材産業と致しましては、地球温暖化防止(CO2排出削減)を進めていく上で、炭素固定に資する木材利用を推進するための助成制度の創設を要望致します。
木材は重量の半分が炭素で、燃えるか、腐朽しない限り炭酸ガス(CO2)は発生しません。この木材の特徴を利用している木材・木材関連製品(合板・繊維板・集成材・木質ボード、木製家具・建具、製材等々)は常に炭素を保有し、商品としてある限り、炭酸ガスを放出しません。
木造住宅・建物はあらゆる木材、木材関連製品の集合体です。最近行われた LCA(ライフサイクル評価)では、木造、鉄骨造、コンクリート造の住宅の環境に対する影響を比較し、材料の生産と建設において、鉄骨造の場合は26%、コンクリート造の場合は31%も、木造に比べて温室効果ガスの排出量が多いと報告されております。
健全な森林が健全な河川を維持し、豊穣の海を育んでおり、このリサイクルが日本の直面しているCO2排出削減と食の安全・自給率向上に貢献する事になります。
政府主導の産業政策(住宅、農業、漁業、エネルギー)はその国の産業の成長力や競争力と雇用に多大なシナジーを齎します。
日本の森林再生、地域経済の成長、地球環境の保護、そして地震や災害から国民の安全と健康を守る住環境の充実に貢献するため、諸政策の推進に当たっては、是非とも合板、繊維板、製材等の日本材(地域材)の利用促進を明確に位置付けて頂き、我が国林業・木材産業の長期的、持続的発展という観点から次葉の対策を要望致しますので、宜しくご高配の程お願い申し上げます。 |
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-諸施策の提案-
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- 日本材(スギ材)の枠組壁工法の創設
(国土交通省、林野庁)
スギ材を活用した国産枠組壁工法規格の創設
- 木造住宅にスギ材を広範囲に活用する規格の創設
(国土交通省、林野庁)
- 日本材原木のカスケード利用の推進
(経済産業省、林野庁)
木材をマテリアルとして活用している産業は、市場規模22兆円、従業員71万人程度になると推測されます。
合板・繊維板業界、家具・建具業界、紙加工業界、更に関連する業界として、住宅産業界、木工機械業界等関連業界の広がりも大きいものがあります。
平成21年に成立した「バイオマス活用促進基本法」では、第八条に「バイオマスの活用の推進は、まずバイオマスが製品の原材料として利用され、最終的にエネルギーとして利用されるなど・・・」とマテリアル利用の優位性を明示しています。
木質バイオマス発電のための「固定価格買取制度」の推進に当たっては、原木はまず合板、繊維板、家具、建具等の木材製品として利用され、パーティクルボード等への再利用を経て、最終的に燃焼されて熱源や発電用に利用されているという「カスケード利用」が確保されることです。
- 木工機械展示会への補助制度の創設
(経済産業省、林野庁)
地球温暖化防止(CO2排出削減)を進めていく上で、炭素固定に資する木材利用を推進するための展示会主催者に対する補助金の創設。
戦後の非木材化路線を大きく転換して「公共建築物等木材利用促進法」を制定しています。
同法は「低層の公共建築物は原則全て木材化を図る」とし、また「高層・低層に関わらず人の目に触れる機会の多い部分の内装や設備も木質化を推進する」ことと謳っています。
これは木材の需要拡大を目指すと共に木材利用への国民の意識向上を狙ったもので、ひいては国産木材資源の利用拡大や森林の整備、林業の再生を念頭に置いています。
こうした状況の中で木材加工の新しい技術や設備に対する要求はより高まっていくと思われます。
現在、東京および名古屋で開催されている各木工機械展示会は独自に、学会との協力体制の強化、日本材の利用拡大を目指す勉強会との連係や情報発信等を通じ木工機械展の目指すべき道筋を探っています。
国として、木材の利用促進の方向が示された以上、木材の需要拡大を目指して行く為には、木材加工に関する各方面の新しい技術に対する知識・対応力の向上や、木材利用知識の一般市民への啓蒙が不可欠であり、社会の窓としての木工機械展示会は重要です。
木の利用、加工に関する勉強の総合展として、産・学・官が一体と成って木工機械展示会を健全に発展させていく上で国の助成が必要です。
- 合板製造業に係る規制緩和
現行の35%から65%へ
(経済産業省、林野庁)
工場立地法に基づく、合板製造業に係る工場立地に関する「敷地面積に対する生産設備の面積の割合」を現行の35%から65%にする。
- 生前贈与、非課税枠を3千万円へ
(国土交通省)
「アベノミクス」の三本目の矢である「成長戦略」として、住宅取得資金の生前贈与の非課税枠を3千万円まで広げれば、世界一の金融資産が動き出し、現時のデフレ対策としてもその効果は大なるものがあります。
ここに昔の家族の温もりが蘇り、本格的2世帯住宅は居住空間の質の向上を生み、良質な居住環境は適切な家族教育として、お年寄りが子供と接する本来の日本のリズムを生み出す。
住宅取得に限定する事によって、親から子への単なる資産移動としての貯蓄(眠れる資産)を防ぎ、経済を活性化させる事が出来ます。
- 住宅取得に関する消費税の撤廃
(国土交通省)
住宅消費税は据置、将来は廃止(先進諸国並へ)
住宅取得は、個人が高額の資産の取得でいわば一生に一度という高額な投資となります。個人資産形成により国民の生活の安定に寄与するものです。欧米各国では、住宅取得に関し消費税の課税が行われている国は少なく、我が国も住宅取得に関しまして非課税とする。
- 木材の需要拡大
(林野庁、国土交通省)
昨年7月に閣議決定された「森林・林業基本計画」では、平成32年までに木材自給率50%を目指しているが、現在我が国の木材需要の70%が輸入材です。
合板関係では約500万m3の日本材原木を利用することとなっている。この目標達成のためには、日本材合板の需要拡大のため早急な取り組みが不可欠です。
- 木材加工関連機械設備の減価償却資産の耐用年数期間の短縮と選択
(経済産業省、林野庁)
木材加工関連機械設備の償却は4年から10年の範囲に於いて、各事業者が選択することができるように改善する。
- 環境配慮木造住宅部材加工の効率的な製造設備の整備・廃棄・新設への助成制度の創設
(経済産業省、林野庁)
耐震・耐火・耐久・防災・安全の長期優良住宅の建設促進のため、木造枠組壁工法部材加工工場(コンポーネント工場)及び軸組工法(在来工法のプレカット工場)の製造設備の整備・新設等(等には、設備廃棄を含む)に対する新たな助成制度を創設する。
CO2排出25%削減の達成と内需拡大による雇用創出を国是とするのであれば、長期優良住宅・建物の振興を図るに当って、日本材、輸入材に関わらず、その基盤整備として、木材産業の国内製造・加工設備機械の一層のコンピューター化を推進し、製造・加工の国内回帰を図る内需拡大策の抜本的取組が不可欠です。また、そのための既存設備の廃棄のための補助制度も不可欠です。
○ 枠組壁工法・軸組工法の部材加工機械補助率を1/2とする。
- 日本材合板、繊維板の需要拡大
(国土交通省、林野庁)
住宅の壁・床・屋根等の構造用部材はもとより、学校等公共建築物、コンクリート型枠、フロアー台板、選挙用ポスター掲示板、土木用敷板等に、積極的に日本材合板、繊維板が使用されるよう、国、地方公共団体関連団体、業界等を対象とした需要拡大のための施策実施。
- 木材利用ポイント事業の拡充・延長
(林野庁)
木材利用ポイントの平成26年度継続実施(平成25年度補正予算)
木材利用ポイントにつきまして、平成24年度補正予算において、平成26年度から一年間の実施として410億円の予算が決定し、実施されております。
然るに、準備期間が短く、住宅新設、改築希望の施主並びに販売・建築工務店に、趣旨の徹底が遅れるとともに対象期間も短期になっているのが現状です。日本材を含めた木材の利用拡大と木造住宅の取得意欲の高進の為、平成26年度の「木材利用ポイント」補助金の継続実施。
- 新製品開発・技術開発の促進
(経済産業省、林野庁)
耐震性、耐久性、省エネ性、耐火性等に優れた合板、繊維板等の開発、及びその活用のための木材加工機械の技術開発を促進する。
- 地球温暖化防止(CO2削減)に貢献する木材関連産業における設備資金の低利融資及び減税の大幅な拡充。
(経済産業省)
- 省エネ基準(新)、低炭素住宅への対応に対する木材利用への優遇措置。
(国土交通省)
- 日本材原木の安定供給
(林野庁)
本年秋に入り日本材原木が不足し合板等の木材製品の安定的供給に影響が出る事態となっています。この原因は、➀木材製品の需要増大(住宅建設の回復等)、②林業労働力不足(高齢化、他の公共土木事業への流出等)、➂治山事業(本数調整伐等)の優先、④気象災害等が挙げられています。合板メーカーの中には、製品の持続的な生産・供給のためには、輸入原木に頼らざるを得なくなると窮状を訴えているところがあり、日本材原木の出材回復のため国有林、民有林ともに早急な対策の実施。
- 日本材国産国消
(林野庁)
地域材地産地消の概念を日本材国産国消という日本国として、地域という境界を越えて、日本材の供給、需要を図ることが木材自給率50%への道程になります。
木材自給率28%から50%の目標が国是であれば、空間軸としては、今日迄の名称や概念に固執することなく供給、需要を拡大する目的に沿った方法・手段、並びに時間軸としては、単年度予算から複数年度予算(5年有効)とし、受付期間も撤廃し、常時受付に移行、長期的スパンに基づく、計画的、有機的、実効性ある予算配分を行う。
- 競争力強化策として、木材産業の設備投資を支援する補助金並びに設備資金の画期的低利融資の実施。
(経済産業省)
2006年以降日銀のデフレ志向金融政策によって、日本経済はデフレ・円高・不況・空洞化といった諸悪で輸出や生産が激減し、企業収益の悪化に陥った。
これらの事象は日銀、財務省の責務であり、円の過大評価が輸出企業、製造業を荒廃させた。
「アベノミクス」によって、日本停滞の原因が為替政策や金融政策の失敗であった事が証明されつつある。
但し、「成長戦略」が従来にない誘発効果が高い施策でなければ消費税引上げに伴う反動減を緩和することは出来ない。
「アベノミクス」が日本経済のみならず世界経済の繁栄にとって重要な位置付となるには先進国並みの「住宅消費税」や「食料品」の軽減税率の導入が必要である。
時代が大きく改革する時、歴史が証明する如く、トップダウンのみが事を達成できる。
すなわち、帳尻合わせの「税制調査会」ではなく、歴史的「アベノミクス」を提唱推進した安倍首相の政治決断である。
設備投資の「即時償却や税額控除」は黒字企業を対象としたものであり、その効果は極めて限定的で「成長戦略」とはいえない。
事業所比率99.7%、従業員比率70%の中小企業が研究、開発、生産する基盤に対する融資制度、中小企業が育んだ「無形の資産」はキャッシュフローで評価できない。
すなわち、中小企業の70%は対象にならないことになる。
そうした大半の日本独自企業群によって日本経済の基盤は構成されている。
設備投資の大胆な活性化により、雇用増大と賃金上昇を図ることが重要である。
木材産業に於ける設備投資への補助金並び低利融資
○ 対象設備 : 少人化、生産効率向上に資するもの。
工業団体等の証明書付設備
○ 対象設備補助金 : 50%
○ 対象設備資金融資金利 : 0.8%
○ 据置期間 : 2年
○ 融資期間 : 10年以内(据置期間含)
○ 申請有効期限 : 3年間の時限立法
以上、18項目について、ご検討の上、是非実現されん事を要望いたします。
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以上 |
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