日刊木材新聞 2015年3月21日

生産施設面積率規制緩和へ

合板・製材・集成材・PBが対象に


 合板・単板や製材・造作・集成材、パーティクルボード、チップ等の工場で、現行の生産施設面積率が上限の65%になっていない業種について規制緩和が進みそうだ。生産施設面積率は、工場立地法で業種によって敷地の30~65%以内と定められている。これは、生活環境の保全のため、工場立地の段階から周辺の生活環境との調和を保つ基盤を整備し、公害を発生しにくくする体制を整えることを目的に規制されているものだ。

 木材関連製造業の現行生産施設面積率は、単板、床板、木材チップ、その他の特殊製材(特殊な製材品、木製品など)、造作材、合板、集成材、建築用木製組立材料、パーティクルボード、銘木、磨き丸太の製造業が35%、一般製材業が40%で、繊維板製造業は既に65%になっている。

 これに対し、木材関連団体では工場立地法の規制緩和を求めてきた。昨年11月には日本木工機械協同組合(原口博光理事長)や日本合板工業組合連合会(井上篤博会長)が、経済産業省の高木陽介経済産業副大臣に工場立地法に基づく合板製造業の規制緩和を求める要望書を提出し「合理性に欠ける規制となっており、国内で整備投資促進の大きな障害となっている」ことを強く訴えた。

 12日には、経済産業省主催で産業構造審議会地域経済産業分科会の第32回工場立地法検討小委員会が開催された。同委員会では、生産施設面積率の見通しについて事務局が「これまでの見通しでは制定当時(1973年)の業種ごとの環境負荷を基準とし、環境負荷の低減率に大きさに応じて生産施設面積率の緩和を実現してきた。しかし、同手法は環境負荷の絶対量が勘案されてないため、一部の業種に対して不公平との指摘があった。そのため、今回の見通しでは環境負荷の絶対量の観点により、規制緩和の可否について検討を実施する」と説明した。

 見直し方針として、生産施設面積率65%の業種より、環境負荷物質(※)の排出量がすべてにおいて下回っている業種は、生産施設面積を一律65%まで引き上げるという事務局案が全会一致で承認された。

 経済産業省は、17日から4月15日までの間、工場立地に関する準則の一部を改正する告示(案)に対する意見を募集しており、その後は産業構造審議会に諮問・答申・関係省庁協議を経て、早けれは5月中旬ころに告示が改正される見通しだ。

 ※環境負荷物質=SOX(硫黄酸化物)、NOX(窒素酸化物)、ばいじん、BOD(生物化学的酸素要求量)、COD(科学的酸素要求量)、SS(浮遊物質)。