2002東京国際木工機械展を終えて 《上》 |
日新興産・原口博光社長 |
「四年前は一千二百六十五小間、二年前は六八〇小間、そして今回は四百六十五小間。この数字を単純に分析すると製造業の空洞化が進み、日本経済がデフレに陥って入ることは明らかだ」と話すのは二×四製作機の生産を行う日新興産の原口博光社長。2002年東京展を終えて1ヶ月、木工機械の意義やこれからの在り方を聞いた。 展示会に対する需給が崩壊 弊社でも取引先や業界関係者に招待券を送付し動員にはベストを尽くした。小間を訪れた多くは弊社の新機種(改造)や木拾い&パネルカットソフトを熱心に見てくれた。 本来、展示会は出品者の日頃の研究成果や主力製品をみてもらい、生産性の向上や効率化、省人化などを行い社会に貢献することだと思う。何より大切なことは展示会は以上の趣旨にのっとって開催すること。しかしながら展示会の小間数の推移をみると、展示会に対する需要と供給のバランスが崩れているとしか言いようが無い。 両者のエネルギーが合致し最大限の効果が 現在、東京、名古屋、大阪で、各展とも二年に一度の開催となっているが、本来であれば年に一度、1ヶ所で行われるのが望ましい。それぞれ三年に一度、開催するということだ。その方向に歩み出す時期にきている。木工機械大国のハノーバー(独)やミラノ(伊)の展示会でさえ、それぞれ二年に一度の開催となっているのがその証だ。 この狭い日本では年に二回大きな展示会が重なることさえある。これは需要者にとっても供給者にとっても何らメリットはない。 展示会は、需要者と供給者のエネルギーが集中する場でなくてはならないと私は考える。需要者にとっては、生産体制の必要性を得る時間が、供給側にとっては研究・開発する時間がそれぞれ必要だ。そして両者のエネルギーが合致した時、効果が最大限発揮される。曖昧因果の関係に他ならない。 ”虚心坦懐”堅強な気持ちで業界関係者が話し合えば、展示会も良い方向に進むだろう。 (つづく) |
平成14年 6月 3日 林材新聞より |