生命に係わる機械を提供する業種として
組合加盟は責務
                                                   原口博光氏
                                                         日新興産(東京)社長



 時 事 放 談

 理論派で知られる二×四住宅の設備機器メーカー、日新興産(東京都板橋区常盤台)の原口博光社長が、また本紙に噛みついた。今後の木工機械展のあり方や組合への加盟問題についてであり、それは、ある懇親会での雑談がキッカケ。「自社だけでなく、そろそろ業界のために」と考え始める熱意があってこそでもあるが、氏のディペート力はむしろ年齢とともに磨きがかかっている。「それでは後日、貴社で続きを」と、日を改めて同社を訪ね意見を交わしたが、私見とはいいながらも原口氏の指摘は一考の余地が多分にあると思うのだが、関係者は−−−(文責本紙)。

 企業の組合加入は一見、各社自由と考えがちだが、決してそうではない。自社だけで業は成り立たないし、また人命に係わる機械を製造・販売する限り、安全性や環境問題に関する情報を得るためにも加入は不可欠。「生命に係わる物を提供する業種の人間が、その情報を知らないでいいのか」。 極言すれば組合加盟は、自社ではなかなかできない情報を知るためであり、また同時に、ユーザーへの社会的責任の一端でもあると考える。
 近年、組合員数の増強が多くの組合で最大の課題にある。しかしそのことを全面に打ち出すとともに、それに伴う会員数の推移などを具体的なシュミレーションにして臨む。そうして増やしていきながら会費を下げるなどの対応も図っていく。

3展の開催は持ち回りで ユーザーの意識が分散して商機も薄れる

 全国規模の三つ(東京、名古屋、大阪)の木工機械展は今後、三年に一回のペースで持ち回りにすべきである。世界最大のドイツ(リグナ・プラス・ハノーバー)、イタリア(キシル・エキスポ)の両展もそうだ。一部に年二回開催となる現状は木工機械業界の実情にあっていないし、「会員メーカーの出展は年一回を基本とする」全国木工機械工業会の基準もファジー(曖昧)すぎる。このままでは三展の開催間隔が短すぎて、独自性ある新製品の開発が進まないし、だいいちユーザーの意識が分散して設備投資の計画も立てづらくなる。その結果、商機が薄れ、開催自体もぼやけてしまう。
 また、名ばかりでなく、製販一体の展示会として確立させるためにも、やはり商社の全国組織である全日本木工機械商業組合との連携は必要だ、そしてメーカー主導の展示から、商社の出展も積極的に受け入れる。そのためには、メーカーは出展商社ごとに展示機種を選別しながら商社との協力関係を深めるなど、結果として展示方法のチャネル対応も図れる。今後は機種ごとに強い関係をメーカー、商社側で築いていかないとーーー。

続く
平成14年6月20日 樹事報より