全国木工機械工業会ら11団体

民主党に要望書を提出

木材産業から初の陳情

 全国木工機械工業会(東京都港区、橋本恭典会長=橋本電機工業社長)は15日、関係11団体と連名で要望書「内需の柱としての住宅政策及び林業・木材関連産業政策の提案(平成22年度要望)」を民主党本部に堤出したことを正式発表した。宛先は小沢一郎幹事長。11月25日に民主党本部の田中悦子企業団体委員会部長に要望書を提出、12月4日に同本部から全国木工機械工業会の事務局に連絡があり、8日午後2時半に国会議事堂の3階で陳情総括役の細野豪志副幹事長兼企業団体委員長と面談、その趣旨や経緯説明を行った。要望書は農林水産所轄と国土交通所轄の2種類。
関連記事2面=要望書全文掲載

右から日機鋸刃・大谷専務理事、日合連・川喜多専務理事、全木機・原口副会長、
民主党・細野豪志副幹事長、全木商・福本理事長、全木機・安塚事務局長


「加工工場の整備に補助率5割」を求める

 米国発の金融危機以降、外需依存型から内需主導型に変換を迫られる経済体制において、内需の柱である住宅政策は経済活性化に大きな役割を担っている。また、低炭素社会への円滑な移行が国の重要政策となるなか、国産材の利用促進による地球温暖化防止や、地域経済の活性化による雇用の安定・増大のため、林業・木材産業関連の持統的発展が求められている。

 今回、同工業会らは農林水産所轄の要望書において「環境配慮木造住宅部材加工の効率的な製造設備の整備・廃棄・新設への助成制度の創設」を求めた。長期優良住宅の促進のため、2×4工法のコンポーネント工場や在来工法のプレカット工揚における製造設備の整備などに対する助成制度として、補助率1/2を提案した。

 国土交通所轄については「新耐震基準以前に建築された住宅の建て替えに関する減税措置」や「耐震改修工事を促進する優遇措置の拡充」、「住宅ローン利子所得控除制度の創設」などを要望した。

 同工業会によると、今回の陳情を担当した細野副幹事長は「木材産業の関係団体からは初の陳情だ。今後は地方からも(民主党の各都道府県連に)要望を出してほしい」と述べるなど、木材産業団体からの各種陳情に積極的に対応する姿勢を示したという。


住宅版エコポイントに木材利用や耐震性を提案

 一方、住宅版エコポイント関係については、今回発表された要望書では言及していない。同工業会らが民主党本部に要望書を提出したのは11月25日であり、菅直人副総理が住宅版エコポイントの創設を表明したのは16日だったものの、政府がその費用として2009年度第2次補正予算案に1000億円を計上する方針を固め、その対象が明らかになったのは29日だったからだ。同工業会らは、エコ住宅における積極的な木材利用や耐震性の確保などのポイント化を盛り込んだ追加的な要望書を作成し、民主党本部に12月9日、提出したという。

 国土交通省が12月15日に発表した住宅版エコポイント制度の概要によると、「エコリフォーム」では窓の断熱改修や床などの断熱材の施工のほか、「エコ住宅の新築」では国交省の省エネ基準を満たす木造住宅がエコポイントの発行対象となった。木材利用に関する詳細は決まっていないものの、今回の陳情が影響した公算は大きい。

 同要望書の提出者は次の通り。

<提出者> 
全国木工機械工業会、日本合板工業組合連合会、日本合板商業組合、日本繊維板工業会、日本機械鋸・刃物工業会、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合、全国建具組合連合会、日本家具工業連合会、国際家具産業振興会、東京都家具工業組合、全日本木工機械商業維合

  要望書全文掲載 「要望書 農林水産所轄」

  要望書全文掲載 「要望書 国土交通所轄」
林材新聞 平成21年12月20日 第15343号
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