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「木の総合文化推進議連」設立総会
議員ら150人以上が参加
 
家具新聞 2017年4月19日掲載


「木の文化」推進議連発足


五輪契機に国産材活用促進
 

 森林を育て、木材を使おう―。与党の国会議員有志のよる「木の総合文化(ウッドレガシー)を推進する議員連盟」が発足した。当面は、2020年開催の東京五輪オリンピックの成功に向け、木を使用した競技施設などのレガシー(遺産)の活用、森林整備の重要性や地球温暖化の防止などの理解を深めていく。東京大会は日本の「木の文化」を世界に発信し、国産材活用を促進する大きなチャンスとなる。4月4日に開かれた設立総会には国会議員や各省庁幹部、木材業界関係者ら200人近くが集まった。

 
議員連盟設立の狙いを語る衛藤会長(右)木材産業要望活動団体の代表幹事を務める原口幹事(左)

 国産材利用の推進と日本の木の文化を世界に発信することを目的とした「木の総合文化(ウッドレガシー )を推進する議員連盟」の設立総会が4月4日、衆議院第二議員館で開催された。衆参両院国会議員ら50人、国土交通省・経済産業省など関連7省庁18人、各業界団体などから100人以上が参加した。4月13日時点で国会議員約80人が入会している。
 

衛藤会長 
「五輪木材利用促進の『横軸』に」 


 総会では幹事長に就任した原田義昭議員が設立経緯を説明。会長に就任した衛藤征士郎議員は「今までとは違う横軸の議連として木材を活用することに力点を置く」と意気込みを述べた。太田昭宏会長代行が「木造の5階建て老人ホームや3階建て校舎もできた。木を育て、木材をふんだんに使おう」と呼び掛けた。共同幹事長に石田祝稔議員、事務局長に中山泰秀議員、事務局次長には稲津久議員、武部新議員が就任した。

 木材関連の議連はいくつもあるが、それらを包括する議連としての期待も担う。各省庁のさまざまな施策に横串を通し、求心力を高める狙いも見える。林野庁の今井敏長官があいさつに立ち「議連ができたことは大変心強く、勇気づけられた。一層、関係省庁と連携を深める」と話した。

 関連業界からは日本織維板工業合・澤木良次会長、東京都家具工業組合・山口貞雄理事長ら12団体が出席した。家具や建員・合板・繊維板など11団体で構成する木材産業要望活動団体の原口博光代表幹事は「森林資源の循環利用を国民運動として盛り上げていく。木材産業は21世紀の成長産業になる」と大きな期待を寄せる。日本合板工業組合連合会の井上篤博会長 が「日本は森林大国なのに1人当たり木材消費量は少ない。使用率をもっと上げることが重要だ」と強調した。

 基調講演では日本木材学会元会長の服部順昭・東京農工大名誉教授が「木材利用の意義と利用技術の現状・展望」について、国際木文化学会ディレクターのマイク・ホウ氏が「持続可能な未来につなげる木の文化」をテーマに講演した。

 議連では国際交流、イベントや事業を通じて「木の総合文化」の普及・啓撃(けいもう)および木材活用の推進に積極的に取り組んでいく。

 各種事業を推進するため、有識者による「国内委員会」を組織し、基本理念・基本計画・実行体制をまとめる。2020年3月21日の「国際森林の日」には盛大な国際大会を開催し、国産材の利用促進などを広く呼び掛けていく方針だ。

 中長期的な事業としては、フォーラム・シンポジウムの開催、家具・建具・伝統工芸品・木工機械などの8項目を挙げた。

 
全国天然木化粧合単板工業協同組合連合会專務理事・
岩森穀氏の話



 今の若い人たちは、子どものころから木に接する機会の少ない生活をしているためか「木を切ることは悪=自然破壊」と考えている方たちがいまだに多い。子どもを育てる大人の多くが、木に対する理解が浅いという現状は残念。木材産業に携わる者として、この設立総会を機に、木の素晴らしさへの理解がさらに深まるように取り組む必要があると痛感した。

 

 ≪視点≫ 実行課題の明確化を
本紙編集長 加納浩志


  「木の総合文化を推進する議員連盟」は、木材産業要望活動団体代表幹事の原口博光氏を中心とした木材産業界の要望活動を母体に原田義昭議員が発起人となって設立された。

 東京五輪に向けて「木の総合文化」の普及・ 啓蒙と木材活用の枠組みをつくり、設立総会に集まった政治家や省庁関係者など100人以上に対して、木材への理解と木材利用の意義を訴えたことは評価したい。

 同連盟の決議案の柱は2020年3月21日の「国際森林の日」に国際木文化学会(IWCS) との共催で国際大会を開催すること。中長期的には、家具や建具の展示会も開催する。その狙いの一つとして原口氏は「家具等木材製品の輸出促進」を挙げ、日本家具産業振興会にも参加を呼び掛けたが、政治活動とは一線を引く同会の立場から参加には至っていない。

 原口氏は「全国の家具産地・団体は、ぜひ参加してほしい」と訴える。関係省庁を巻き込んだ実行体制の構築と国内委員会の役割と実行課題をさらに明確化・具体化して家具業界に示す必要がある。


 
 



 ▽木の総合文化(ウッドレガシー)を推進する議員連盟の設立総会写真 
  

 ▽木の総合文化(ウッドレガシー)を推進する議員連盟文書
 ▽2020年東京オリンピック・パラリンピックのレガシーに係る要望書 (PDF)

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